あ行
アイレベル
立ったままカメラを目の高さにして撮影するときのカメラ位置。
人が見慣れているアングルのため、自然な感じではあるが目新しい感覚は感じない。
アウトフォーカス
正しくはアウト・オブ・フォーカスといい、焦点から外れているピントがボケている状態のこと。
ウエストレベル
撮影者が経った状態でカメラを胸から腰のあたりに構えたときのカメラ位置。
S字型構図
構図でいちばん美しい線といわれ、流れるような動感描写になる。
風景写真や人物写真の背景などに用いると奥行きが出てより効果的。
遠近感
近い被写体に対しては近い感じに、遠い被写体に対しては遠い感じに奥行きを感じさせることをいい、パースペクティブともいう。
遠近感の出方はレンズによって異なる。
例えば広角レンズの場合、近くのものは大きく、遠くのものは小さく強調され写り、望遠レンズの場合は近くにピントを合わせて遠くをぼかしたり手前をぼかすことで遠近感を描写することができる。
望遠レンズの場合、全体にピントを合うように撮影すると遠近感は逆に失われてしまう。
か行
画角
レンズによって画面に写し出される被写体の範囲のことをいう。
レンズの焦点距離と画面の大きさの二つによって決定されるが、レンズの焦点距離を測る基点(レンズの第二主点)から画面の対角線を含む角度のことである。
ピントを無限遠に合わせたとき写る範囲が何度あるかで画角が決定される。
収差のないレンズはこの画角ないでは鮮鋭な像が得られる。
画角が50度前後のものを標準レンズ、60度以上のものを広角レンズ、40度以下のものを望遠レンズと呼ぶ
カメラアングル
上からの俯瞰をハイアングル、下からの見上げたものをローアングルという。
カメラディスタンス
カメラから被写体までの距離のことで撮影距離ともいう。
レンズの焦点距離を考え、表現意図に適したカメラディスタンスをとる必要がある。
ヒキとも呼ばれる。
カメラポジション
被写体に対して決めるカメラの位置のことをいう。
同じ被写体に対してでもカメラアングル、カメラディスタンスの選択によって効果が異なり、この二要素がカメラポジションを決定する。
カメラワーク
撮影上の露出合わせ、ピント合わせなど、すべての撮影操作や撮影技術を総称する言葉だが、写真制作、創作活動などもカメラワークと呼ばれる。
撮影操作の基本的な五つのカメラワークとして、焦点調整(正しいピント合わせ)・適正露出(正しい露出)・フレーミング(目的の被写体を正しくとらえる)・ホールディング(カメラぶれを防ぐ)・カメラアングル(作画内容を高める)がある。
画面効果
肉眼で見た場合と異なった写真における視覚上の効果。
シャッター速度によるものとして、瞬間の固定(高速シャッター)・ぶれの効果(低速シャッター)があり、絞りによるものは、パンフォーカス(最小または最小に近い絞り)・ぼけの効果(開放または開放に近い絞り)がある。
レンズを交換した場合には遠近感の描写効果がある。
撮影意図によって、これらの効果を使い分ける必要がある。
逆二乗の法則
点光源から出た光の進行する方向に対して直角の面の照度は、照度距離の二乗に反比例する。
ある明るさをもつ光を、ある距離から照らすと1の照度をもったとすると、距離を2倍にすると照度は1/4に減り、距離を3倍にすると照度は1/9になる。
けられ
レンズのイメージサークルが不足したときに発生するけられとレンズフードなどレンズ前の状況によって発生するけられがある。
レンズフードによるけられは、フードが長すぎたり画角よりもフードが狭いと画面周辺が暗くなったり、黒く写り込んでしまう。
フードやレンズ前に何も写り込んでいないか確認する方法はレンズ絞りを最小にした状況でプレビューすればわかる。
光条効果
十文字のフレアのことを光条という。
画面に入る光の強さによって大きさや強さが変化する。
夜景などに取り入れると印象的な写真ができる。
自然に発生させるのは難しいのでクロスフィルターなどを使用するのが一般的。
さ行
シャドー
ハイライトの対語で光の当たっている部分に対しての暗部、影になっている部分のことをいう。
被写体のシャドー部分をどこまで写すかが多くの場合、露出決定の基準になる。
シンメトリー
画面の中心を境にして上下左右対称にできた写真のこと。
画面効果をより強く表現するときに使われている。
単純に行うとつまらないものになることがあるので、立体的なものを被写体に選ぶと良い表現効果がでやすい。
た行
ディテール
詳細、細部の意味。
写真のハイライト部やシャドー部の細かな調子をいう。
撮影時の画面サイズが大きいほどディテールのある写真が容易にできる。
等倍撮影
被写体を原寸大に写すことをいう。
特に小さな被写体を接写するとき、接写倍率が1のものを等倍または実物大という。
接写倍率はレンズの焦点距離で中間リングの厚さを割れば、ほぼ算出できる。
50mm標準レンズを使用して厚さ50mmの中間リングを使用すれば等倍撮影ができる。
な行
二重露出
撮影済みのフィルム・データに再度、露出をあたえること。
ハイスペックなカメラには二重露出ができるモードがついていることが多い。
二重露出がよく行われる例として夜空に打ち上げられた花火がある。
モードがついていなくてもシャッターをバルブで開けっぱなしにして黒紙などをレンズ前で動かすことにより二重露出を行うことができる。
ノーファインダー
ファインダーを覗かず撮影すること。
スナップ撮影などのとき周囲に気づかれないようにして写したり、高い位置から撮影したりするときに用いる。
使用レンズの被写界深度と画角を十分に把握する必要があり、知識と技術を要する。
は行
ハイキー
キーとは声や色彩・文体などの調子を指し、ハイキーは高い調子という意味。
ハイライト部が多く、ハーフトーンの中間程度までの調子で構成された明るい写真をいう。
白っぽいトーンの中にわずかに黒の部分があると非常に画面をひきしめる。
被写体の選択、ライティング、露出など適切な処理が必要。
ただの露出オーバーのものはハイキーとはいわない。
望遠効果
遠近感が省略され、肉眼で見たり標準レンズで写された写真の印象とは別の距離感のない圧縮効果をいう。
ま行
マクロ撮影
マクロは大きい、長いなどの接頭語だが日本ではマクロスコピックの略として使われ、巨視的なというような意味から小さいものを大きく写す接写用語として使われている。
接写用の目的で作られるマクロレンズは無限遠から1/2倍か等倍まで撮影ができ、専用の中間リングやベローズを使うことで超接写もできる。
マチエール
もとは絵画の絵肌というフランス語。
被写体の物の質感を指し、類似語にテクスチャーがある。
ら行
ラチチュード
デジタルカメラではイメージセンサーの露出寛容度をいい、多少の露出の過不足を許す許容範囲のことである。
フィルムの場合はモノクロフィルムはカラーフィルムに比べて広く、高感度フィルムほど広い傾向がある。
ポジフィルムはカラーネガフィルムより狭い。
被写体のコントラストによっても左右されコントラストが多い場合、露出のラチチュードは狭くなるので正確な露出が必要になる。
露出倍数
フィルター使用時や中間リング・ベローズなどを使った接写などではイメージセンサー面に当たる光量が減少するので、フィルターの種類やレンズのくりだしの度合いにともなって露出量を多くしなければならない。
接写時の露出倍数は次のような公式で求める。
露出倍数=(中間リングの厚さ/レンズの焦点距離+1)2
露出補正
一般に被写体の反射率や光線状態により露出を増減することをいうが、フィルター・中間リング・ベローズなどのアクセサリーをつかうことで生じる露出不足を補う場合も指す。
