佐藤かな子は、カナダ・トロント生まれの写真家です。
青山学院女子短期大学卒業後、日本写真芸術専門学校・広告科を修了し、商品写真やイベント撮影、水中での撮影を中心に活動しています。
国内外で個展を開催し、写真教室や撮影イベントでの講師も務めるなど、幅広い分野で活躍しています。
作品づくりにおいて大切にしていること
佐藤かな子は、作品づくりにおいて「光と色彩の美しさ」と「デザイン的な強さ」という要素を大切にしています。
光の性質や色は、環境や時間帯、光源によって様々なバリエーションがあり、被写体自体の色味もあるため、それらを強調したり調和させたりするために、画面内での色の組み合わせや明暗を考えているそうです。
また、水中と街中という異なる環境をフィールドにしていますが、どちらにおいても大切にしているのは「一期一会」の気持ちだと語ります。
繰り返しのない一瞬の光景を丁寧に、より美しく切り取りたいという姿勢で作品をつくっているのです。
代表作と個展
水中をはじめとするネイチャーフォトの分野で活躍し、雑誌や広告の仕事のほか、個展でも精力的に作品を発表し続けています。
2011年には、富士フイルムフォトサロン東京で個展「Kaleidoscope」を開催。
街中でのスナップ撮影や水中撮影で撮り貯めた、伊豆諸島からモルディブまでの様々な水中での出会いを展示しました。
また、2017年にはキヤノンギャラリー銀座で個展「水深15メートルの一期一会」を開催。
産卵期のアオウミガメや、イルカの群れ、サンゴ礁の中を泳ぐ熱帯魚など、海深くでしか出合えない神秘的な光景を写し取った作品を発表しました。
写真教室と撮影イベント
写真教室や撮影イベントでの講師としても活躍しています。
キヤノンEOS学園では人気講師を務め、初心者向けのデジタル一眼レフカメラの撮影入門講座などを担当しています。
また、富士フイルムフォトサロン東京では、水中写真の撮り方セミナーを開催。機材の選び方や設定、水中での撮影テクニックなどを伝授しています。
Adobe Lightroomを活用したレタッチ
Adobe Lightroomを使ったレタッチのテクニックについても語っています。
レンズを通して見える世界の美しさを追求する一方で、レンズだけではできない柔らかさや質感を表現するために、Lightroomのツールを活用しているそうです。
具体的には、ホワイトバランスや色調の調整、ビネットの追加、テクスチャの付与などを行い、より印象的な写真に仕上げています。
デジタル時代ならではのレタッチ技術を駆使して、自身のイメージに近づけていくのです。
写真を通して伝えたいこと
写真を通して「物語を伝える」ことを大切にしています。
被写体との出会いや撮影時の感動を、1枚の写真に込めて表現したいと考えているのです。
そのためには、被写体に寄り添い、丁寧に向き合うことが必要だと語ります。
時間をかけて観察し、ベストなタイミングを待つ。そうすることで、その瞬間にしか撮れない表情や佇まいを切り取ることができるのだそうです。
佐藤かな子の写真からは、被写体への愛情と敬意が感じられます。
一期一会の出会いを大切にし、光と色彩の美しさを追求する。
そんな姿勢が、作品に命を吹き込んでいるのかもしれません。
これからの活動
今後も国内外で個展を開催し、写真教室や撮影イベントでの講師を務めていく予定です。
また、雑誌や書籍への作品掲載や執筆など、多方面で活躍の場を広げていくことでしょう。
デジタル技術の進歩により、写真表現の可能性は益々広がっています。
新しい機材やソフトウェアを積極的に取り入れ、独自の視点で光と色彩の美しさを追求し続ける佐藤かな子。
これからも、私たちを魅了する作品を生み出してくれることでしょう。
佐藤かな子の写真は、私たちに「一期一会」の大切さを教えてくれます。
今この瞬間にしか出会えない光景がある。
その美しさに気づき、感動する心を忘れないでいたい。
作品を通して、そんなメッセージを受け取ることができるのです。